弘法大師に於る<法身説法>説の展開について : 開題類を中心として
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概要
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本論考は、『弁顕密二教論』に於て成立した弘法大師空海の<法身説法>説が、その後どの様に展開して行ったのか、その展開の様相を跡付けようとするものである。そしてそれはこれ迄に行って来た『吽字義』『秘鍵』『即身義』『声字義』等に関する検討の成果としての<字義釈><三摩地法門><法曼茶羅><如来の説法>説、<即身成仏>思想、<六塵文字>説等に就ての知見を指標として、それら主要著作の間を埋めるものとして、開題類を取り上げ検討を加えるものである。そしてそれは又逆に、主要著作に於て指摘された諸思想、諸概念を、<法身説法>説の展開過程の上で位置付けて行く事になるであろう。又同時に、<法身説法>説の展開の様相を基に、成立年代不明の著作に就て、その成立年代を推定してみる。
- 智山勧学会の論文
- 1988-03-31