犬養光博の宣教と思想、その霊性
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概要
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この論文は犬養光博の1960年代から2000年代までの著作と社会的活動を考察することによって、彼の働きの宣教学的意義を明らかにする。とりわけその実践と思想と霊性を総合的に把握することを試みるものである。日本社会は経済的発展の陰で分断され、1960年代から貧しい民衆は周辺化された。彼は周辺化された民衆と共に生きる働きを担った宣教者であった。犬養は戦後の石炭エネルギー政策の廃棄によって貧窮した民衆の間で活動することが彼の使命であると考えた。彼は共感と尊敬をもって民衆との対話と協働を行うことを通じて神学的思想を形成した。彼は民衆こそ宣教の協働者であり、さらに宣教は人間化という課題を重要視する必要があると主張する。また教会とは宗教的建造物や組織ではなくイエス・キリストのプレゼンスを見出す場だと主張する。彼の生き方に鋭い社会批判の精神と自己反省的敬虔を認めることができる。それは第二次世界大戦後日本のキリスト教徒として、自らの社会実践への批判的考察を伴う「明識の霊性」を示しているといえるであろう。
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