HPCアプリケーションI/O特性を考慮した省電力指向階層化ストレージシステムの検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
我々は 2018 年頃のポストペタスケールシステムを視野に入れた,次世代大規模 HPC システムにおけるストレージシステムのあるべき姿の明確化に取り組んだ.次世代大規模 HPC システムで問題となる消費電力を削減するためにはオンライン及びオフラインストレージを組み合わせた階層化ストレージシステムの適用が有効である.階層化ストレージシステムの適用実現に向けた課題は,(1) 容量および性能最適化,(2) ストレージ階層のトランスペアレント化である.このうち,本報告では (1) 容量および性能最適化に取り組み,アプリケーションの I/O 特性を考慮した構成案策定方法を提案する.提案方法を適用して,次世代大規模 HPC システムにおいて実行が想定されるアプリケーションの I/O 特性に基づく,省電力指向および性能指向の二つの構成案を策定した.これら構成案では,消費電力を,1EB フル RAID 構成の 2,967KW と比較して,省電力指向構成で約 66%削減する 1,006KW,性能指向構成で約 50%削減する 1,476KW に低減可能な見通しである.この結果,次世代大規模 HPC システム全体の消費電力を 20MW とした場合に,システム全体の消費電力に対するストレージシステムの消費電力の割合を,省電力指向構成で約 5%,性能指向構成で約 7.4%にすることが可能となることを確認し,目標の 10%以内に抑える見込みを得た.
- 2014-07-21
著者
関連論文
- B-032 スーパーテクニカルサーバSR11000の高速分散ファイルシステムHSFS(B分野:ソフトウェア)
- プラットフォーム間データ連携機能OPEN-PRESTの開発と評価
- HPCアプリケーションI/O特性を考慮した省電力指向階層化ストレージシステムの検討