SDNによるマルチパスを用いたGridFTPによるデータ転送高速化手法の提案
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概要
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大量のデータを分析・計算することによって科学技術上の問題の解決を図る計算科学の分野では,大量のデータをある拠点から別の拠点に高速に転送する技術が求められている.特に,グリッドコンピューティング分野では,拠点間データ転送技術に関して盛んに研究され,現在までに GridFTP などの技術が提案されている.GridFTP はある拠点間におけるデータ転送に複数の TCP ストリームを使用する並列データ転送方式を利用し,高速化を実現している.これは単一経路上における TCP のスロースタートやパケットロスなどによるスループットの低下を,複数の TCP ストリームを利用することで軽減することによる高速化技術である.本研究は,この GridFTP が用いる複数 TCP ストリームを単一の経路ではなく,複数の経路に分散させるトラフィックエンジニアリングを行うことにより,使用可能なネットワーク帯域を増加させる転送手法を提案する.具体的には Software-Defined Network (SDN) を実現する代表的実装である OpenFlow を用い,複数 TCP ストリームの経路割当を制御するシステムを構築する.本論文は構築したシステムの設計・実装について説明し,その動作および性能評価の結果を示す.
- 2014-07-21