3.3 太陽活動に伴う宇宙線変動と気候変動(3.太陽活動と地球環境変動,<小特集>宇宙気候学)
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概要
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銀河系から地球に飛来する宇宙線は,太陽圏を満たす太陽の磁場によって遮蔽を受け減衰される.したがって,宇宙線の地球への飛来量は,基本的には太陽活動の強度と反相関の関係にある.しかし,宇宙線は太陽圏内にスパイラル状に広がる太陽磁場の構造に依存して複雑な伝搬経路を取るため,太陽磁場の強度の増減だけではなく太陽圏磁場の大規模構造の変動も,地球における宇宙線の時間変動特性を決定づける重要な要因となっている.したがって,太陽圏全体の磁場構造が太陽活動の変動に伴ってどのように変化するのか,また,荷電粒子がその構造中をどのように伝搬するのか,といったことを知ることが,地球における宇宙線量の変動特性を理解し気候への波及を調べる上で重要となってくる.本節では,17世紀に発生した数十年にわたる太陽活動の低下期(マウンダー極小期)を例に,太陽圏の変動と宇宙線変動との関係性を議論する.
- 社団法人プラズマ・核融合学会の論文
- 2014-02-25