壁外発育を来した直腸S状部癌の1例
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概要
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症例は78歳の男性で便柱狭小化、頻便を主訴に来院された。腹部造影CTで直腸S状部に壁外突出する腫瘍性病変を認め、大腸内視鏡検査で直腸S状部に易出血性のほぼ全周性狭窄を呈する腫瘍性病変を認めた。生検では炎症性変化による肉芽組織を認めるのみであった。術前診断確定には至らなかったが、直腸S状部の大腸腫瘍の術前診断で、低位前方切除術を施行した。切除標本の肉眼所見では、粘膜面に腫瘍の露出を認めなかった。標本割面で、腫瘍は腸間膜側へ壁外性発育を来していたが、漿膜面は保たれていた。病理組織学的所見では低分化腺癌と、腫瘍中心部の壊死所見が認められた。 壁外発育大腸癌は術前診断困難な場合があるが、術前の診断確定および鑑別診断の除外に努める必要がある。
- 長崎大学の論文
- 2014-03-25