腹腔鏡下噴門側胃切除術後Double-tract再建を施行した1例
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概要
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噴門側胃切除後の再建方法は様々あるが、今回我々は腹腔鏡下にDouble-tract再建を施行した症例を経験したので報告する.症例は60歳男性. 食道胃接合部癌cT1bN0M0に対して5ポートで腹腔鏡下噴門側胃切除、経裂孔的下部食道切除、D2郭清を施行した.上腹部正中の小開腹創から病変部を摘出し、再建は食道空腸吻合は経口アンビル法で、残胃空腸吻合はLinear staplerを用いて側々吻合を行い、共通孔は鏡視下縫合で閉鎖した. Y脚吻合は小開創から体腔外でcircular staplerを用いκ吻合を行った.手術時間576分、出血310ml. 術後経過良好で17日目に退院となった. 術後6か月時点、逆流・うっ滞などの合併症、後遺症を認めていない. Double-tract法は吻合部3箇所の吻合があるが各吻合方法をそれぞれ工夫することで腹腔鏡下でも十分に安全に施行可能であり、術後の胃内容停滞や逆流性食道炎が少なく有用な再建法の一つであると思われた.
- 長崎大学の論文
- 2014-03-25