動的推定アルゴリズムを用いたTwo-stage発がんモデルによるリスク推定
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概要
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Two-stage発がんモデルは「正常細胞は2段階の変異を経てがん細胞に変化する」という分子生物学で提唱されているメカニズムを確率過程を用いて記述したものであり,変異率や増殖率といった状態間の遷移率を示すパラメータを持ち,リスク評価,毒性学,疫学などの分野に応用されてきた.従来のシミュレーション研究では,ラットへのダイオキシン食餌実験から得られた生存時間データからパラメータを得ることができたが,ダイオキシン曝露量を対数変換する必要があった.ダイオキシンリスクの理解を深めるためには,対数変換しない曝露量を用いたパラメータも得られることが望ましいが,課題として残された.本研究では,この課題に対し,パラメータ推定の成功率を高めるアルゴリズム(動的推定アルゴリズム)を開発した.ダイオキシン曝露量を対数変換しない場合のパラメータを得ることができ,このアルゴリズムの有用性を示した.
- 2014-03-25