小学生における基本的生活習慣が自己統制および向社会的行動に及ぼす影響
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概要
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基本的生活習慣は,子どもの心身の発達に大きく影響を及ぼすものと考えられるが,近年,子どもの基本的生活習慣の乱れが指摘されている.そこで,本研究では,小学生を対象として,食事,睡眠,挨拶という基本的習慣をとりあげ,その実態を把握するとともに,基本的生活習慣と自己統制および向社会的行動との関連について検討した.調査対象者は,A県の小学校1年生から6年生までの児童6,189名であった.分析の結果,A県の児童においては,全国調査と比較して,やや基本的生活習慣の定着度が高いことが明らかとなった.この高さの背景には,A県における家族形態の特徴や,それに伴う家規範の高さの影響があると推測される.また,基本的生活習慣,自己統制,および向社会的行動の変化の節目が,小学校の中学年から高学年にあることが示唆された.さらに,基本的生活習慣の定着は,自己統制や向社会的行動を高めていたが,学年があがるにつれその影響には男女差が示されていた.子ども達は,家庭や学校を通して社会化されていくが,その際基本的生活習慣の取得のみならず,ジェンダーの社会化も同時に行われていることが示唆された.
- 仁愛大学の論文
- 2014-03-31
著者
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