南琉球・多良間島方言の格再考 : ni:格,Nka格を中心に
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概要
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下地(2003)をはじめとするこれまでの先行研究では,多良間島方言の格の形式は,O格,nu格,ga格,ju格,ba格,ni格,tu格,sji:格,kara格,Nka格,Nke:格,gami格の12形式(周辺的な接辞であるjuL,ti:を含めれば14形式)であるとされてきた。だが改めて考察を行ったところ,ni:格という〈道具,手段〉をあらわす新たな格形式をみとめる必要のあることが明らかになった。これは,これまでni格に含められてしまっていた形式である。また-Nkaについても,格として機能するものと「中,内」という語彙的意味を名詞に付加する派生接辞的なものという,2つを区別して捉えなければならないことを明らかにした。
著者
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