就職不安が入職後の適応に与える影響 : 短大卒生と四大卒生との比較を交えて
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概要
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本研究は、就職活動中に感じた就職不安と入職後の初期適応との関係について、(1) 就職活動中の不安と入職後のストレスおよび就職への満足感との関係、さらに(2)入職後のストレスおよび就職への満足感を統制した後の、就職活動中の不安が入職後の抑うつおよび転職願望、退職願望に与える影響、の2側面から検証した。***に対し、就職活動中および入職3〜5ヵ月後の2回、質問紙調査を行い、有効回答が得られた短大生(入職後は短大卒生)124名、四大生(入職後は四大卒生)112名のデータについて分析を行った。重回帰分析の結果、短大卒生、四大卒生とも、職場不安が能力欠如感ストレスを除く入職後のいずれのストレスに有意な負の影響を与え続けていること、過度の負担ストレスが抑うつを有意に予測することが明らかとなった。また、四大卒生のみにおいて、就職活動中の職業適性不安および職場不安が、就職への満足感に対して負の影響を与えること、就職活動不安が転・退職願望を抑制することが明らかとなった。就職活動中の就職不安が入職後の初期適応に影響を持ち続けることを踏まえ、特に職場不安、職業適性不安を緩和するための介入の必要性が示唆された。
- 大手前大学・大手前短期大学の論文