概日リズム研究のモデル植物としてのPhyscomitrella patens(蘚類)
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概要
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種子植物においては多様な生物過程の概日リズムが観察されてきた.その一方,シダ植物やコケ植物等の原始的な植物において概日リズムはほとんど報告されていない.著者のグループは最近,蘚類の一種Physcomitrella patensにおいて,光化学系IIのクロロフィルa/b結合蛋白質をコードするPpLhcb2遺伝子が概日的な発現を示すことを明らかにした.この遺伝子の発現解析により,P. patensの概日時計の調節機構は種子植物のものとは少なくとも一部異なっている可能性が示唆された.この総説では、種子植物における概日時計機構の解析の現状と,比較的原始的な植物における概日リズムの研究例をまとめる.さらに,著者のグループによるP.patensの概日時計関連遺伝子群の解析に焦点をあて,このコケが概日時計機構の分子レベルでの研究において有用なモデルとなる可能性を論じる.
- 日本蘚苔類学会の論文
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