束縛的mustの語用論的・認知言語学的特徴づけと言語学習との接点
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概要
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「モダリティ」は、様々な言語学の枠組みや概念に基づいて分析されてきた。R. Lakoff (1972a,1972b)の研究は、語用論的観点から法助動詞の使用される微妙な文脈の違いを提示した先駆的研究である。Talmy(1988, 2000)の研究では、「力のダイナミクス」(force dynamics)の概念がモダリティ研究に導入され、認知言語学に立脚した法助動詞の研究に大きな影響を与えている。語用論・認知言語学でキーコンセプトとなるのが「コンテクスト」(context)である。コンテクストは、先行文脈、前提、捉え方、解釈、推論、認知などに相当する。 近年、語用論や認知言語学がいかにして言語学習、教授法、言語習得の分野に貢献できるかが論じられている。本稿では、語用論的・認知言語学的見地から、話し手はどのようなコンテストでmustを発話するのかを「英語学習者に英語の仕組みの骨格を提示し、英語学習が効率よく、かつ、効果的に進むのを支援するための英文法」(大津(編)2012)を意識した形で提出する。
- 関西外国語大学の論文