代替冷媒を用いたヒートポンプ給湯機の性能予測
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概要
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著者は先に、水を熱源とする蒸気圧縮式ヒートポンプシステムに鉛直対向流型プレートフィン凝縮器及び蒸発器を組み込み、冷媒としてHCFC系及びHFC系フロンを用いた実験結果を基にシステム性能(成績係数: Coefficient of Performance, COP)の予測計算法を提案した。本研究では、333Kの温水供給を目的として熱交換器熱源水入口温度298K、凝縮器熱源水温度上昇35K、蒸発器熱源水温度降下10Kの条件において、HFC系(R32 /R134a)、HC系(R290/R600)及び混合冷媒R290/R134aを用いて予測計算を行い、単一冷媒の場合はR32のCOPが最も高くなることを示した。混合冷媒の場合は30wt%R290/70wt%R600のCOPが最も高くなり、20wt%〜50wt%の領域ではHC系混合冷媒のCOPが高く、その他の領域においてはHFC系混合冷媒のCOPが高くなることを明らかにした。また、混合冷媒R32/R134aの場合、単一冷媒R32に対して混合冷媒のCOPにおける優位性は小さいが、凝縮圧力において24%小さくなることを示した。一方、混合冷媒R290/R134aの場合、5wt%R290近傍のCOPが単一冷媒R134aより高くなり、可燃性のあるHC系冷媒を有効利用する可能性を見出し、代替冷媒を用いたヒートポンプ給湯機のシステム設計において、冷媒の組み合わせ及び組成比の選択は重要であることを示した。