乳児における因果的認識 : Launching 事象の因果性知覚
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概要
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本稿では、乳児期における因果的認識-因果性知覚および因果的推論-に関する研究のレビューをおこなった。この領域の研究では、ミショット型の衝突駆動事象(Michottean launching events)を刺激とした慣化-脱慣化法による実験がおこなわれ、この事象の因果的認知の起源や発達について検証されてきた。衝突駆動事象とは、静止する対象に動く対象が接近、接触した後に、静止していた対象が動き始めるという一連の動きによって構成されている。先行研究からは、乳児が生後6-7ヶ月までに衝突駆動事象の因果性を知覚、推論することが明らかになっている。また、この事象に登場する対象が物体のときと、人間のような自己推進的な対象のときとで、乳児の反応が変わることが確かめられている。本稿では、これらの研究結果をもとに、今後のこの領域の研究について展望した。