術後17年を経過して再発した卵巣類内膜嚢胞腺線維腫の一例
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概要
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卵巣境界悪性類内膜腫瘍はまれであり、再発の報告も極めて少ない。私どもは、術後17年を経過して再発した卵巣類内膜嚢胞腺線維腫の一例を経験したので報告する。症例は72歳、1回経妊1回経産。17年前に卵巣腫瘍に対し子宮全摘術、両側付属器摘出術、大網切除術を施行され、境界悪性卵巣腫瘍(類内膜嚢胞腺線維腫)1c期と診断された。術後化学療法が行われ、術後8年間は再発せず、その後はフォローアップを終了した。術後17年目に尿閉と下腹部痛を主訴に前医を受診し骨盤内腫瘤を認め、当科に紹介された。骨盤MRI検査では骨盤内に13cm大の充実性腫瘤を認めた。腫瘍摘出術を試みたが、腹腔内の癒着が強く摘出は困難であり、腫瘍生検のみを行った。摘出検体の組織学的診断は、endometrioid cystadenofibroma, recurrentであった。残存腫瘍に対し放射線治療を行い、腫瘍は縮小し症状の改善を認めた。
- 2013-12-25