慢性関節リウマチ患者に対するアフェレシス : Cryofiltration療法
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概要
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現在,慢性関節リウマチ(RA)に対して二重濾過血漿交換療法,Cryofiltration療法(CF),塩析療法,リンパ球除去療法が行われ臨床効果が報告されている.その中でもCF療法は単純な病因物質除去法として評価されている.また,アルブミンや新鮮凍結血漿(FFP)を大量に必要とせず,感染の危険が少ない血漿交換療法の一つとして有用視されている.CF療法の特徴は第一に血漿を冷却すること,第二に血漿成分分画器(cryofilter)にて血漿すべてを濾過することである.CF療法に対する臨床的反応はリバウンド現象を起こすものと,起こさぬものに大別され,血清IgM濃度が両群の鑑別によい指標と考えられた.RAに対するCF療法で除去される主成分はフィブリノーゲンーフィプロネクチン複合体で,これに温度依存性があり冷却することにより沈殿物を形成した.また,フィブリノーゲンーフィプロネクチン複合体と一緒にIgG,IgA,C_3,C_4,などの物質が共沈することを報告しており,CF療法にて除去されるフィブリノーゲンーフィプロネクチン複合体を主成分とするIgG,IgA,C_3,C_4物質を除去することは,病態を改善するばかりではなく免疫複合体によりもたらされる組織傷害も防止し,さらには,免疫調節作用や網内系機能の改善を示唆する報告もありRAに対してCF療法を行うことは有効と考えられる.
- 日本アフェレシス学会の論文
- 1996-05-31
著者
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