カンバ類のじかまき造林(会員研究発表講演)
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概要
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カンバ類のじかまき造林試験地は,苫小牧地方演習林においては凍害保護のための上木の造成,天塩地方演習林においては高寒風衝地帯における先駆樹種の造成を想定して設定されたものであり,いずれもカンバ類の発生から成林までの経過をくわしく調査することを目的としている。大型草本の優勢な造林地では,カンバ類の下種更新は一般に困難と考えられているが,鉱物質土壌を露出させた下種床(巣)に巣まきした結果では,巣まき後3年目には巣まきの効果をあらわしはじめた巣がかなり見られ,条件さえそろえば下刈なしで成林させる可能性もある。ばらまき試験地は表土が浅く重粘土地であるため火入地拵をさけたが,このためまきつけ後2年目には稚樹と雑草との競合があらわれはじめ,実際の施業では下刈の必要がある。刈幅によって雑草の回復状態に多少の差が見られる。また高寒風衝が原因と考えられる梢頭の被害と刈幅との関係等は,今後さらにくわしく調査する必要がある。
- 北方森林学会の論文
- 1965-12-25