カラマツのサシキ試験(1)(会員研究発表講演)
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概要
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選抜育種事業をすすめる上で,採種園造成用苗木の増殖は,カラマツでもトドマツ,エゾマツと同様に従来ツギ木によって行なわれて来た。寒冷な北海道ではサシ木は環境特に地温等の気象条件からしても不利はまぬかれないがこれらの樹種でサシキ増殖ができれば親木の形質をそのまま受けついだ苗木ができるのでクローン増殖の手間もはぶけるし又,種子不足のための苗木供給の調整にも役立つことは言うまでもない。当場では採種園造成のための,カラマツ,ツギキ苗の得苗率向上と併せて昭和34年開設以来予備試験的にカラマツのサシキ,空中トリキ増殖を行なって来た。空中トリキによるカラマツの増殖試験は,先に発表したように,50〜70%の発根率を得るまでにいたったが,サシキ,ツギキ以上に労力と経費がかかるので事業的には不利である。これに対して予備試験として続けてきたサシキ増殖は余りよい成績をあげるまでにいたらなかった。1965年度はこれまでのカラマツサシキ試験結果をあらためて検討し直し,母樹齢を考慮するとともに,ホルモン処理,黄化処理などの方法を応用してみた。ここに報告するのはその一部で,ホルモン処理したものの結果である。
- 北方森林学会の論文
- 1965-12-25