土壌改良材としての木質廃材の利用に関する研究(第2報) : 土壌に混合したシナノキ,ミズナラ樹皮が廿日大根の生育に及ぼす影響について
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概要
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ミズナラ,シナノキ樹皮を土壌に混合した場合の廿日大根の生育に及ぼす影響を明かにする目的で樹皮混合率20,40vol.%,窒素施用量5,15,30g/混合物20lについて栽培試験を行なつた。又ミズナラ樹皮中の生育阻害物質を確認する目的で,熱水抽出樹皮と無処理樹皮の比較を行なつた。1)樹皮の混合により土壌温度の上昇が認められ,樹皮の分解による発熱によるものと推定した。又栽培終期になると対照との温度差は小さくなつた。2)発芽率,平均発芽日数はいずれも樹皮の混合による影響を受けなかつた。3)対照にくらべ有意に増収となつた処理は「ナラ40%N_3」唯一つであつた。又樹皮の混合にともなう窒素飢餓を克服するためには,乾燥樹皮あたりほぼ1%の窒素(Nとして)の施用が必要と判断された。4)熱水抽出したミズナラ樹皮と無処理のものの比較からミズナラ樹皮中に発芽阻害物質の存在を認めた。しかし最終的な収量調査では,かえつて無処理樹皮の方が有意に高収量をもたらした。ミズナラ樹皮は抽出処理により土壌中で分解し易くなり,その結果窒素飢餓が増大して生育を抑圧したものと考えられる。
- 北方森林学会の論文
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