生体認証における2次のRenyiエントロピーに基づく情報量評価尺度の解釈(セキュリティ,ライフログ活用技術,オフィスインフォメーションシステム,ライフインテリジェンス,及び一般)

概要

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生体認証では,従来,異なる生体の生体情報を同一と判断する誤り確率(以下,FMR)や同一の生体の生体情報を異なると判断する誤り確率(以下,FNMR),照合判定闇値を変化させたときのFMRとFMNRの関係の軌跡であるROCカーブなどの尺度によりシステムの認証精度が評価されてきた.ところが,これらの尺度だけでは,パスワードなどの従来の認証手段との比較や,生体情報が本来持つ個人識別性能の評価に用いることはできない.そこで,近年,生体情報の情報量を評価する試みが複数報告されている.しかし,それらの手法も任意のモダリティに適用可能でない,実際に測定することが困難,といった課題があり標準的な手法は存在しない.そこで,本稿では,筆者らが提案する2次のRenyiエントロピーに基づく生体情報の情報量評価尺度に着目し,本評価尺度の生体認証の個人識別性能に関する性質を明らかにするとともに,実験結果を交えて虹彩認証と指紋認証,およびそれらを組み合わせたマルチモーダル生体認証において個人識別性能を定量的に評価する.
2013-02-28