『真俗雑記問答鈔』における「栂尾義」について : 「我見自心形如月輪」解釈を中心に
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概要
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中性院俊音房頼瑜(一二二六年-一三〇四年)(以下、頼瑜)の著作である『真俗雑記問答鈔』(以下『真俗雑記』)には、観音院迴心房真空(一二〇四年-一二六八年)(以下、真空)の説が「木幡義」として頻出する。それに対し、明恵房高弁(一一三七年-一二三二年)(以下、明恵)の説と思しきものが「栂尾義」として散見される。本小論は特に不空訳『金剛頂瑜伽中発阿耨多羅三藐三菩提心論』(以下『菩提心論』)に説かれる「我見自心形如月輪」の文の解釈を手掛かりに、頼瑜の菩提心理解ならびに六大縁起説に対する見解を明らかにする。そして、頼瑜が明恵教学をいかに受容したのかその一端を探りたい。
- 2012-03-31
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