東日本大震災における福島県の被災者生活再建の課題(<特集2>震災・災害と社会政策)
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概要
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東日本大震災と原発事故の被害により,1995年の阪神・淡路大震災とは異なる規模と質の被害をもたらし,「複合災害」とも言える状況にある。とりわけ福島県は,1年半以上経つ現在でも15万人以上が避難生活を余儀なくされ,うち6万人以上が全国に避難している。今回の災害における被災者の特徴は,(1)広域避難,(2)避難の長期化,(3)避難先の多様化と孤立と言え,福島大学災害復興研究所が震災から半年経った2011年9月に実施した双葉郡8町村の全住民を対象にした実態調査の結果からも,その特徴が確認できる。一方,震災から1年半経っても,仕事や経済状況など被災者の生活再建が進まず,その障壁が存在している。このような中で,被災者の生活再建においては,自立と尊厳に基づいて支援を進めていく必要があり,被災者がそれぞれの避難先で生活再建ができる支援が必要であり,こうした点では日本は国際的な経験にも学ぶ必要がある。
- 2013-03-20