発達障害児に対する「気になる段階」からの支援 : 就学前施設における対応困難な実態と対応策の検討
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概要
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本研究では, 発達障害児への支援に関して, 保育所・幼稚園などの就学前施設の保育者が経験する困難を明らかにした上で, 他の専門機関・専門職との連携によって保育の質的向上を図るための対応策を検討した.先行研究及び実態調査に基づき, 保育者は必ずしも発達障害に関する十分な専門知識を有しているわけではなく, 職員配置などの物理的制約も相まって, 子どもが診断や指摘を受ける前段階から困難を経験する傾向が明らかになった. また保護者への対応についても, 助言を受け入れてくれないなどの拒否的・防衛的な反応が示される場合があり, 保護者支援における対応困難な実態も明らかになった.保育者に対しては, 支援者支援の観点からコンサルテーションが必要であり, また保護者の理解を高め, 保育者との協力関係を形成するために, 地域の支援システムにペアレントトレーニングを組み込む必要性についても言及した.
- 2014-01-31