外国人住民は被災情報をどのように受容したか : 浦安市の事例にみるリテラシー・ネットワークの意義(<特集>ウエルフェア・リングイスティクスにつながる実践的言語・コミュニケーション研究)
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概要
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本稿では,2011年3月11日の東日本大震災で被災した千葉県浦安市の外国人住民9名に対するインタビューをもとに,言語サービスのひとつである被災時の情報提供の諸前提の検証をおこなった.調査から(i)自治体などの情報提供を外国人住民が自ら収集することはなかったこと,(ii)外国人住民の日本語の書き言葉能力ではなく,周囲の住民ネットワークの有無が情報の受容プロセスに重要な影響をあたえていたこと,(iii)提供される情報の目的は自助の支援にとどまらないこと,などがあきらかになった.最後に,情報がさまざまなネットワークを媒介して受容される「リテラシー・ネットワーク」の概念が被災時の情報提供を考えるうえで重要になることを指摘した.
- 2013-09-30