産業衛生と睡眠(第3部「作業負担と就業生活」,<特集>産業医と労働安全衛生法四十年)
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概要
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睡眠不足や生活のリズムの乱れは,日中の眠気を引き起こし重大な産業事故を引き起こしうるというだけでなく,種々の慢性疾患をも引き起こすことが明らかとなってきている.作業管理の観点からだけでなく,労働者の健康を守るためにも,睡眠の生理学についての正しい知識をもち,それを適切に応用する能力が産業医にとっても求められていると言えよう.また,潜在患者数が600万人ともいわれる閉塞性睡眠時無呼吸や,概日リズム睡眠障害交替勤務型などのような睡眠障害を有する労働者を把握し,適切な対応をすることも,健康管理・作業管理の両面から重要な課題である.これら産業現場における睡眠あるいは時間生物学上の問題点については,まだまだ未解明の点も多く,今後の研究による成果が産業現場に還元される事が期待されるところである.
- 2013-10-01