視覚障害者補助を目的とした手持型音発生装置による障害物知覚の評価
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概要
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視覚障害者の中には,聴覚により障害物を知覚できる人がいる.障害物を知覚しやすい音を手持型の音発生装置に利用すれば,障害物知覚能力の効率的な獲得に役立つと考えている。本報告では、ホワイトノイズを音源とする手持型音発生装置を作り,装置の走査を許した状態での,障害物の大きさと距離知覚能力の関係について検証した.その結果,1.0mまでの近い距離の障害物はある程度距離知覚が可能であるが,2.0m以上の遠い距離の障害物の距離知覚は難しいといえた.また,障害物知覚に手持型の音発生装置が適しているか調べるため,装置の走査や向きに着目しダミーヘッドを用いた聴取実験を行った.その結果,音発生装置の走査は遠い距離の障害物を知覚しやすくする可能性があった.また,装置の向きが障害物から外れると,左右15度までであれば有無は判断できるが,場所の判断までは判断できなかった.考察より,音発生装置を手持型として利用した障害物知覚は難しいといえる.
- 2012-11-29