中小消費財卸売業者の機能強化と多様化 : 食品スーパーとの企業間提携における価値創造(自由論題)
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概要
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中小卸売業者は、(1)取引先小売業者の販売額低迷、(2)小売業者およびメーカーの取引先集約、を背景とした需要の停滞により、厳しい経営環境にさらされている。そこで、中小卸売業者がこの状況を打開する生き残り策を、(1)小売業者(食品スーパー)のマーケティング・ミックス、(2)卸売業者が担う流通機能、という論点で考察を試みる。前者からは消費者起点流通を考慮して消費者との接点で機能する店舗戦略の重要性を、後者からは機能の切り売りではなく、諸機能(商流、流通、付随)を有機的に結合させるオルガナイザー機能に純化する必要性を導く。そして、卸売業者と小売業者をパートナーと位置付けて「共存共栄」を図るために、さらに大手卸売業者との棲み分けや差別化を図るために、(1)流通段階の意図的結合により仮想企業体を作る卸売業者と小売業者の全体最適、(2)事業の強化や拡大によりサービスの拡充を図る卸売業者の企業間連携、の議論を踏まえたうえで、競争優位性の獲得という価値創出の側面を重視する視点から、中小卸売業者の生き残り策の端緒を明らかにした。
- 日本マネジメント学会の論文
- 2013-10-18