知覚・労働・科学 : シモーヌ・ヴェイユ「デカルトにおける科学と知覚」から(<特集>科学・技術と宗教)
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概要
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本稿はヴェイユの「科学と知覚」論文を検討し、後の「盲目的メカニズム」としての世界観やそこでの神と人間の関係を読み解くための準備とする。この論文で自らデカルト的懐疑を試みるヴェイユは、《力》を根源的な現象とし、人間と事物を《力》の結節点として理解する。人間は「想像力」においてこの《力》を自覚的に用い(=労働)それによって自分を世界の一部として見出す。ヴェイユによれば、「真の科学」は個人のこのような「知覚する労働」の延長線上にある《人類の知覚》である。人間をこのように《力》の網目の中に位置する存在として理解する一方で、自分を含むその世界をありのままに捉え、想像力を正しく用いて「労働」することにヴェイユは人間の役割を見る。このような理解は、必然性の冷酷なメカニズムに捉えられつつも、人間がこの必然性に自ら同意し「従順」であることによって世界の一部となるヴェイユの後の思想の萌芽だと言えるだろう。
- 2013-09-30
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