運営者の違いによる統合失調症患者に対する看護師版心理教育の成果検討〜服薬および病気に関する知識の変化〜
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概要
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本研究の目的は、現場の看護師が運営する看護師版心理教育(NPE)と NPE の開発者が運営する成果を、 患者の服薬および病気に関する知識の変化に着目して評価し、心理教育を実践する看護師育成に関する示唆を 得ることであった。介入およびデータ収集方法は、精神科急性期治療病棟に入院中の統合失調症患者を対象とし、NPE 開発者が運営するグループに参加した者(開発者群)と開発者から指導を受けた現場の看護師が運 営するグループに参加した者(看護師群)に分け、それぞれ NPE 実施前後の疾病薬物知識度調査(KIDI)を行うというものであった。分析方法は、各群の KIDI 総合得点と下位尺度の得点について、対応のある t 検定を行った。対象者数は、 開発者群が16名、看護師群が16名、男性18名、女性14名、計32名であり、平均年齢は、40.21歳(SD=13.71) であった。分析の結果、KIDI 総合得点ならびに下位尺度(薬物療法)得点は、両群共に実施前より実施後の 方が有意に高い得点を示した。下位尺度(精神症状)得点は、開発者群のみ実施前より実施後の方が有意に高 い得点を示した。NPE は、その運営者が開発者であっても看護師であっても、服薬および病気に関する知識 の総合得点において同程度の成果が期待できるものであったが、今後も継続的に評価し、より多くの看護師が NPE の運営方法を習得できる方法の検討を進める必要がある。
- 神戸常盤大学の論文
- 2012-03-31
著者
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