バイオメカニクス : 力学からみる生命現象(最近の研究から)
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概要
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生物に現れる様々なかたちや運動の仕組みを,遺伝情報ではなくマクロな力学の法則に求める分野をバイオメカニクスと呼ぶ.バイオメカニクス自体は古典的な研究分野であるが,微視的な理解が主流を占める現代の生命科学や生物物理学のなかでは,むしろ新鮮でユニークなアプローチといえるかもしれない.本稿では「らせん」というキーワードを縦糸にして,筆者が携わってきた二つの具体的な研究例を紹介する,ひとつは細菌の運動について,もうひとつは植物の形態についてである.分子の働きを次々と識別していく分析的手法とは少し異なる角度から生命現象に光を当てようと企てている.その努力の一部をなるべく平明な表現で説明したいと思う.
- 2013-09-05