交流分析の人生脚本へのアプローチが有用だった機能性消化管障害の1症例
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概要
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慢性的消化器症状をもっていた患者が近親者の死を契機に心療内科を受診した.医師と心理士は役割分担をした.身体疾患への薬物療法を含む心身医学療法は医師が担当し,心理士は心理的な問題に関しての心理療法を担当した.心理士が症例を報告する.心理療法は交流分析の脚本分析の視点で行った.患者には「自分の欲求や怒りを抑えて人の面倒をみて喜ばせている限り存在価値があるが,いつも力不足で相手は満足せず,結局成功せずに終わる」という人生脚本があった.抑圧された感情は身体症状を引き起こしていたが,怒りや欲求を言語化して表現できるようになり,脚本に従わなくてもうまくいくと患者は気づいた.その結果,家族や友人とはそれまでと異なる人間関係を築くことができ,慢性の消化器症状も軽快し薬物療法を中止できた.
- 2013-10-01
著者
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