保存的治療後に診断された0-III型早期胃癌穿孔の1例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
症例は64歳の男性。胃穿孔の診断で保存的加療が行われ、上部消化管内視鏡で胃体中部大彎前壁にAステージの潰瘍を認め胃潰瘍穿孔と診断された。経過は良好で、1ヶ月後の内視鏡所見はH2ステージであった。5ヶ月後の所見で治癒過程が認められず、生検を行ったところsignet ring cell carcinomaが認められた。早期胃癌(0-III型)の診断にて穿孔7ヶ月後に胃全摘術(D2廓清)をおこなった。病理組織学的診断では深達度は粘膜内でありpT1aN0M0:stageIAであった。癌細胞は潰瘍底には存在せずその辺縁のみに認められた。早期胃癌穿孔症例に対する治療は二期的根治術を優先すべきであると考えられた。
- 2013-09-25