子宮内膜症患者の月経に伴う自覚症状の特徴と診断・治療の実態
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概要
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子宮内膜症の早期発見・早期治療に活用できる情報を明らかにするために、子宮内膜症患者および一般女性の月経に伴う諸症状について、郵送法による無記名の自記式質問紙調査よって検討した。子宮内膜症の臨床診断または確定診断を受けた患者330名と一般女性194名から回答を得た。子宮内膜症のリスク要因とされる6項目のうち「月経周期日数28日未満」「月経持続日数8日以上」「不妊状態」の3つの要因が、患者群は一般女性群に比べて割合が有意に高かった。自覚症状は、「鎮痛剤が効かない」「月経終了後の下腹部痛や腰痛」「月経期間中の排便痛」「月経期間中の肛門痛」「貧血」「性交痛」の発現頻度が、患者群は一般女性群に比べて有意に高かった。患者群は、自覚症状を認識してから臨床診断を受けるまでに平均11年を要し、一般女性の中には、子宮内膜症の発症が疑われる人がいた。主観的な月経症状が子宮内膜症の早期発見・早期治療のために有効であることがわかった。