The Diaries of Arthur J. Stirewalt, 1941-1942 : PartII: Life During Wartime ─ The Church and the Repetition of the Everyday
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概要
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この論文は1941年-1942 年に於けるルーテル教会の宣教師,アーサー・J・スタイワルトの日記についての上下シリーズの後半である。本論文は戦時下日本に於けるスタイワルトの生活を1942 年の日米交換船での本国帰還まで取り上げる。「日常性」の記録であるスタイワルトの日記は,日本とアメリカが戦争中であり,宣教師が日本の教会の中で公に働けなくなったにもかかわらず,日本人とアメリカ人のキリスト者の関係は続いたことを示してくれる。方法論として,本論文は昭和初期の哲学者,戸坂潤の「日常性の原理」とドイツの神学者,ディートリッヒ・ボンヘッファーの「成人した世界」という概念を利用する。戸坂とボンヘッファーの両者は近代性をもつ人間の生活と共同体が日常生活を「永遠」や「聖なるもの」から独立した事柄として整理するようになったと理解した。スタイワルトの日記は,戦争によって引き離されたすべての教会を含む教会というものの受難する本質を表す。戸坂,ボンヘッファーとスタイワルトのそれぞれの声は,壊れた人間生活を乗り越える力をもつ希望と新たなことを創造する「日常性」の役割を指し示す。
- 2012-00-00