視覚運動学習における2種類の回転変換に特異的な神経表象の検討
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概要
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ヒトは干渉のある複数の視覚運動変換に同時適応が可能な点が示唆されている.先行研究から,異なる種類の感覚運動学習(例えば,キネマティクスとダイナミクス変換)に異なる脳部位が関わる点が示唆されているが,同種の変換の中でのパラメトリックな違い(例えば,回転変換における異なる回転角度)の同時学習に関わる神経基盤は明らかでない.そこで本研究は,複数の感覚運動マッピングを表象する神経表象をfunctional MRIを使って明らかにした.実験参加者は,視覚トラッキング課題において,2種類の相反する回転変換(+90度または-90度)に同時適応した.運動中のfMRI活動に対してマルチボクセルパターン分析(MVPA)を用い,変換条件が識別可能か検討した.また2種類の回転変換条件と,低次の運動キネマティクスとの違いを明示的に区別するため,2種類のターゲット軌跡パターンを設け,異なる変換条件と軌跡パターンの組合せに対する識別器の汎化精度を調べた.結果から,感覚運動野,補足運動野,および小脳前部の活動パターンを使って回転変換の識別が可能であった.本研究から,感覚運動関連野および小脳で異なる感覚運動マッピングが表象されていることが明らかとなった.
- 2012-10-04
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