高周波スネアによる気管腫瘍切除術が有効であった喉頭癌肺転移に集学的治療を施行した1例
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概要
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背景.悪性腫瘍による気管狭窄に対して,気道確保のために気管支鏡下レーザー照射による気道開大術やステント留置術,デバルキングなどの手法があるが,喉頭癌転移再発に集学的治療を施行するために高周波スネアによる気管腫瘍切除術が有効であった症例を経験したので,報告する.症例. 64歳の女性. 20XX年1月,喉頭癌(声門上型)に対し腫瘍摘出術後に化学放射線療法を施行した.以後外来で経過観察中に胸部CTで右上葉に転移性肺腫瘍を認めていた.同年8月,呼吸困難を認め当院へ救急搬送となった.気管支鏡検査にて喉頭癌の転移再発による気道狭窄と診断し,気管腫瘍に対して高周波スネアによる切除を施行し気道を確保した.術後速やかに症状は改善し,全身状態が安定したところで,喉頭全摘術及び右肺上葉の転移巣に対して胸腔鏡下右肺上葉切除を施行した.術後10カ月現在,全身状態良好で外来において経過観察中である.結論.有茎性の腫瘍であれば,スネアを用いて姑息的な気管狭窄の改善は可能であり,症例によっては悪性腫瘍による気管狭窄に対しても高周波スネアによる切除は有用であると考えられた.
- 2013-07-25
著者
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田中 亨
関西電力病院呼吸器外科
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舘 秀和
関西電力病院呼吸器外科
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竹嶋 好
関西電力病院呼吸器センター
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田中 亨
関西電力病院呼吸器センター
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勝島 詩恵
大阪市立総合医療センター腫瘍内科
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舘 秀和
関西電力病院呼吸器センター
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