木タールの着火・燃焼特性
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
新しいエネルギー資源への期待が化石燃料の減少によって大きくなっている.環境保全と資源保護の観点から廃棄物の再利用が推進されている.バイオマスは,地球温暖化を防止する新エネルギーの一つとして注目されている.木質系バイオマスの炭化処理から発生する木タールをサーマルリサイクルすることを目的として,化石燃料の代替としての可能性を検討した.木タールの燃料としての基礎データを得るために着火および燃料特性を熱重量分析と電気炉内での燃焼実験によって調べた.熱重量分析の測定結果より,木タールはB重油よりも低い温度から熱分解を開始し,固定炭素分が存在することがわかった.燃焼実験の結果より,炉内温度が873K以下では,加熱速度が遅く,熱分解した可燃ガスの濃度が低いため,チャー燃焼のみが生じる特異な燃焼挙動を示すことがわかった.また,木タールはB重油よりも着火遅れ時間は短いが,固定炭素分によって生じるチャー燃焼のため,燃え切り時間が長いことがわかった.木タールは混焼用の燃料として期待できる.
- 2013-07-31
著者
関連論文
- 木質中の水分が半炭化によるエネルギー密度向上におよぼす影響
- バイオコークスの燃焼性促進に関する基礎研究
- 緑茶バイオコークスの冷間圧縮強度特性に及ぼすスケール効果
- 木タールの着火・燃焼特性
- 緑茶を原料とする高密度バイオ固形燃料の形成条件による物理的特性に関する研究