バートルビーのパラドクス:メルヴィルの短編「書記官バートルビー」に対する批評と新しい批評的前提
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概要
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本稿は、ハーマン・メルヴィルの短編「書記官バートルビー」とそれに対するいくつかの現代批評を検証し、物語の主人公によって提起されている重要な主題の一つである「受動的抵抗」について考察する。それぞれ異なるアプローチと議論をもつ、3つの主要な批評-Dan McCall's The Silence of Bartleby; Jacques Derrida's "Resistance" in Resistances of Psychoanalysis; Gilles Deleuze's "Bartleby; or, The Formula" in Essays Critical and Clinical-の検証から、本稿は、それらに共通する要素を析出するとともに、バートルビー的抵抗の剰余的かつパラドキシカルな本質を吟味し、今後のバートルビー研究にとっての新しい批評的基盤/前提の提出を企図する。また最終部ではバートルビーに関する分析をアメリカン・スタディーズのいくつかの係争点に接合させ、「アメリカ性」の観点からバートルビー的パラドクスを捉え直し、学際的研究の一結節点を提示する。
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