インドネシア・アズ・ナンバー・ツー(統一論題「企業による地域経営圏の構築」)
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概要
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2012年度のインドネシア経済成長率は6.23%であり、ASEANの中でも高い位置にある。このような経済成長を支えるのはユドヨノ大統領による安定的な政治、中間層の増加及び外国直接投資(FDI)の増加である。特に日系企業による工業団地が拡大し、また年間生産80万台の自動車販売が維持され、インドネシアの高成長経済に貢献している。本報告は企業による地域経営圏の構築として、日本とインドネシアの関係を検討し、両国への展望を述べる。そこには歴史的な要因及び経済的な要因がある。インドネシアは350年間以上植民地時代があり、かつ多民族国家で国家として1つにまとめるのが精一杯の状況にある。それでも経済成長率6%以上を達成できることがすでにミラクルと評価できる。また、成長に関しては外国直接投資の役割が大きく、インドネシアの産業基盤そのものがまだ貧弱で人口増加に伴う個人消費が成長を支える形になっている。中国またはインドでは国際的に活躍する民族企業が多いが、それに値する企業はインドネシアにはほとんどなく、インドネシア・ブランドも世界に浸透していない。インドネシアの国民性自体も世界が認めるまでに明確ではない。よって、はじめからインドネシアはナンバー・ワンの地位の確立を目指すのではなく、ナンバー・ツーのポジションを狙うだけでも現在の状況は十分だと考える。そのためにインドネシアと日本はパートナーシップを形成することが望ましい。インドネシアと日本は競い合い打ち負かし合うのではなく、インドネシアは日本の成長に協力し、日本もインドネシアの発展に協力することによる持続的な相互依存関係を形成することが重要だと考える。
- 2013-06-07