精神科訪問看護師が抱く精神科長期入院患者の退院促進および地域生活継続のための看護実践上の課題
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概要
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本研究の目的は,精神科病棟看護の経験を持つ精神科訪問看護師を対象にして,精神科長期入院患者の退院促進および地域生活継続のための看護実践上の課題について明らかにすることである.長期入院患者の看護経験を含めて精神科病棟勤務歴が3年以上あり,さらに精神科訪問看護経験を持つ看護師とした.対象者に対して半構成的面接を行い,面接内容は質的帰納的に分析した.結果は,精神科訪問看護師が抱く精神科長期入院患者の退院促進における看護実践上の課題として【管理体制からの脱却】【患者の将来を見据えた退院支援の在り方】であった.精神科長期入院患者を地域で支援する際に精神科訪問看護師が直面した課題として示されたのは,【倫理的配慮に基づいた訪問看護実践の難しさ】【利用者周囲との関係調整の役割】【地域で生活する精神科長期入院患者に対する固定観念】であった.看護師が自分自身の価値観を優先するのではなく,患者個人がどのような人生を生きたいのか自分自身で選択し,決定していく姿勢を支持することの重要性が示唆された.
- 2013-10-31
著者
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藤野 成美
九州大学大学院
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脇崎 裕子
前国際医療福祉大学 福岡看護学部
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藤野 成美
九州大学大学院 医学研究院 保健学部門 看護学分野 (現職)佐賀大学 医学部 看護学科
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福原 百合
国際医療福祉大学大学院 医療福祉学研究科 保健医療学専攻 看護学分野 修士課程 2009年3月修了 (現職)若久病院
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