動物絵を用いたストループ課題遂行時の前頭前部における脳血流の変化からみた干渉抑制機能 : 定型発達成人による検討ならびに小児の予備的検討
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概要
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定型発達成人を対象に、動物を刺激として用いたストループ課題(Real Animal Size Test; RAST)を実施した。6歳から8歳の小児5名についても予備的に検討した。成人においては、促進条件の反応時間(RT)よりも干渉条件のRTが延長し、ストループ干渉が観察された。各条件の左右oxy-Hb濃度の平均変化量に有意差はなかったものの、干渉条件遂行時の血流量が最も増加した。これは、課題に関係する動物の実際の大きさの選択と課題に無関係な知覚的な大きさの抑制という反応にかかわる前頭前部が賦活した結果を反映したものと考えられた。ストループ干渉が小さい群よりも干渉が大きい群で全体的に脳血流量の増加量が大きく、干渉が大きい対象者は小さい対象者に比べ課題遂行に多くのリソースを使用することが推察された。小児においては、前頭前部の発達途上であるために、ストループ干渉抑制が十分になされた場合においても、干渉抑制に関わる前頭前部が賦活したと考えられた。
- 2013-03-29