馴致作業に伴う育成子牛の易誘導性および対人反応性の変化
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概要
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黒毛和種育成子牛における誘導訓練が,ロープ誘導能率,対人反応性および誘導前後の安寧性に及ぼす影響について調査を行った。育成子牛7頭を用いて誘導訓練および最終試験を実施し,誘導時間,誘導反応,逃走距離および心拍反応の変化を記録した。誘導時間は訓練の経過に伴う有意な変化はなかったが,個体間で有意差が見られた(P<0.05)。変動係数を求めたところ,訓練1週目では特に個体により大きなバラつきが見られたが,2週目以降は低く安定した。抵抗反応は,訓練期間の経過に伴い減少する傾向が見られ(P=0.064),経路間では有意差が見られた(P<.0005)。また暴走反応は,最終試験で多く発生した。逃走距離および心拍反応は,いずれも有意差は見られなかった。本結果から,育成牛においても誘導訓練の実施により個体による誘導時間の不安定さや抵抗反応は減少するが,人への慣れから模擬闘争行動が増加する可能性が示唆された。
- 2013-06-25