コミュニティ・サービス・ラーニング型社会調査の可能性について : プール学院大学の実践を事例として
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概要
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サービス・ラーニング(以下、SLと略す)が学生の教育にとって市民的、人格的次元のみならず、学問的次元にも良い成果をもたらすことについては予てより指摘されている。岡崎(2010)は、コミュニティ・サービス・ラーニング(以下、CSLと略す)と組み合わせることで、市民性の強化につながる「市民的教養としての社会調査」の効果的な学びが期待できると述べている。そこで、本研究では、社会調査にCSLの要素を組み込んだ授業実践をCSL型社会調査として位置づけ、その可能性について考察した。教員・保育士と保護者の相互理解に貢献することを目的に、中国にルーツを持つ保護者を対象とした質問紙調査実施を核にした授業実践は、教員・保育士と学生の双方に有益な効果をもたらした。コミュニティのメンバーと協働して、コミュニティのために実施され、ふり返りを伴う社会調査はCSL型社会調査と呼ぶことができる。「コミュニティの課題解決に役立つ」という考え方が持つバイアスの影響を十分に自覚し、その考え方の限界を理解していれば、CSL型社会調査は「市民的教養としての社会調査」を学ぶ最適な機会となると言える。
- 2013-02-15
著者
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