戦後日本におけるキリスト教教師の養成メカニズム : 宗教団体と高等教育との制度的関係を中心に
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本論の目的は、戦後日本においていかにキリスト教教師が養成されてきたのかを明らかにすることである。キリスト教教師の養成にたいして専門職研究の枠組みを当てはめ、また宗教と教育の領域の規定的な関係性について議論するという立場から、本論では学歴と資格とを分析する。第一に、『宗教年鑑』と『キリスト教年鑑』の統計データから、キリスト教教師の数と専門職集団としての教師たちの構成の特徴を分析する。これらデータの信頼性は低いものの、1990年代までその数は増えていく。そして、統計によるとその数の現在の傾向は不明瞭でバラバラであった。第二に、『キリスト教年鑑』の人名録に基づき、本論では教師の学歴について議論する。キリスト教関係の学校は教師となることと強い関係にあった。最後に、日本基督教団の資格制度の歴史的分析を行った。教師試験に関して特定の学校に優遇措置をとること及び「教団立」の概念によって、教団は学校との制度的結合を構築していた。キリスト教教師養成のメカニズムの分析を通じて、本論は日本における宗教団体と高等教育との制度的関係性の存在を示唆する。
- 2013-06-15
著者
関連論文
- 2. 戦後日本における神学部の機能と構造(IV-2部会 【一般部会】大学教育の変容,研究発表IV,一般研究報告)
- 戦後日本におけるキリスト教教師の養成メカニズム : 宗教団体と高等教育との制度的関係を中心に
- 2. 日本の教育社会学における近代教育/学批判の展開 : 森重雄を中心として(IV-2部会 【テーマ部会】近代教育批判の再検討,研究発表IV)
- 2. 日本のキリスト教と大学紛争 : その文脈・過程・帰結(II-6部会 教育の歴史社会学(1),研究発表II)
- 学会の外的・内的比較分析 : 教育学会・教育社会学会・社会学会を対象として(【一般A-12】中等後教育・高等教育(b),一般研究発表【A】,発表要旨)