大都市郊外の公営住宅団地に居住する高齢者の社会関連性の特性と課題についての研究 : 周辺地域との比較において
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概要
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本研究は,大都市郊外の公営住宅に暮らす高齢者の社会との関係の特性について,明らかにし,公営住宅再生のあり方や公営住宅におけるソーシャルワークなどについて提言を行うことを目的としている.研究の方法は,男女別に無作為抽出した897人を対象として,郵送配布,郵送回収,自記入式による調査を行った.この結果得た回答についてSPSSを用いて分析し,公営住宅に暮らす高齢者と持ち家に暮らす高齢者の社会との関係を比較した.その結果,両者の比較において社会関連性指標の下位尺度である「生活の主体性」は有意差がなく,「社会生活の広がり」には有意な差がみられた.「社会生活の広がり」は,経済状況,世帯状況との関連が深い項目である.性別では男性より女性のほうが,社会とのネットワークを広くもちやすい結果が本調査においても明らかとなった.このことは,今後の団地再生において,いかに男性をサポートし,女性をエンパワメントしていくかが,ミクスト・ディベロップメントと同様に重要であることを示唆する.
- 2013-05-31