精神障害者の援助付き雇用および個別職業紹介とサポートに関する効果についての長期的な追跡研究のシステマティック・レビュー
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概要
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本研究は,精神障害者の就労支援に有効とされる援助付き雇用と個別職業紹介とサポート(Individual Placement and Support ; 以下,IPS)の長期的な追跡調査についてのシステマティック・レビューを行い,その効果を明らかにすることを目的とした.本研究は7つのデータベースを用いて,関連する研究を模索した.検索の結果,3研究(N=103)が導入基準に合致し,追跡期間は4〜12年,すべて対照群をもたない長期介入研究であった.追跡率やアウトカムの評価方法に課題があるものの,介入としてIPSを利用した精神障害者の40〜70%が研究期間中に少なくとも一度は就労を経験していることが明らかになった(累積就業率).調査結果から,重度の精神障害者であっても,IPSモデルによる個人の希望や能力に応じたきめ細やかな支援により,長期的な視点からも当事者の競争的雇用への就労において効果を示しうることが示唆された.
- 2013-05-31
著者
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吉田 光爾
国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所社会復帰研究部
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片山(高原) 優美子
国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所社会復帰研究部
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山口 創生
国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所社会復帰研究部
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種田 綾乃
国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所社会復帰研究部
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