保管条件の違いによるスギ小径丸太の含水率変化
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概要
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数ヵ所に保管したスギ小径丸太の約15ヶ月間にわたる含水率変化を調査した。初期含水率は平均145.7%,約15ヶ月後の含水率は平均27.8%となり,全ての丸太で含水率の減少が確認された。どの保管地点でも静置1ヶ月後から約5ヶ月後にかけて含水率が顕著に減少し,その後減少幅が小さくなる傾向が見られた。保管地点別では,アスファルト舗装の土場で最も含水率が減少した。保管地点間の一元配置分散分析を行ったところ,約4ヶ月後から保管地点間に有意差が見られた。丸太状態の林地残材は林内土場や林道端等に放置しても含水率の低下は期待できないと考えられてきたが,本研究では山土場や林内に放置した場合でもある程度含水率が低下した。乾燥期間はアスファルト舗装土場の場合5ヶ月程度が有効であり,それ以上放置しても含水率の低下は少ないと考えられた。層位については,全ての保管地点で下層の含水率が高くなった。本研究では下層丸太と地面の間には台木は敷かず,下層丸太は直に地面に接している状態であったため,接している地面の種類や含水状態によって下層丸太の含水率の低下状況が変わってくることが示唆された。
- 東北森林科学会の論文
- 2010-03-31
著者
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