京都議定書がもたらす森林施策の課題(<特集>国産材を考える)
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概要
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京都議定書の森林吸収源に係わる算定・報告の要件と我が国の算定手法をふまえ、京都議定書がもたらす森林施策の課題について議論した。我が国の森林によるCO_2吸収量は2004年において9,390万tであったが、これを京都議定書の目標達成に効率的に結びつけるためには、京都議定書3条4項森林経営による獲得を狙って、木材生産の主伐から間伐への移行、VI齢級以上における間伐促進、90年以降に間伐が行われていない森林に対する間伐促進を進めることが重要である。今後の課題として、森林による吸収量と木材利用による排出削減量の合算値を温暖化対策への貢献として評価する必要性や、森林の健全な維持・管理が森林の多面的機能の発揮をもたらし、併せて京都議定書の目標達成や温暖化緩和が実現できるという位置づけの重要性とともに、森林による吸収量を適切に算定・報告するため森林情報の一層の整備を掲げた。
- 財団法人林業経済研究所の論文
- 2007-08-20