吸収源CDMの事業形態による特徴と今後の課題
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概要
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吸収源CDMは非永続性、長期性、不確実性という特徴を有し、期限付きクレジット、通常より長いクレジット発生期間など排出源CDMとは異なるルールが設定された。吸収源CDMは途上国の地域レベルで京都議定書の枠組みに参加できる唯一の枠組みであり、環境保全や地域振興といった環境、社会、経済の三者への配慮という要件が企業やNGOの植林事業を改善する有用な指標となる等の利点を持つが、一方で低い採算性、煩雑なルール等の問題点を有する。企業による吸収源CDMの事業形態としては大まかに分類して(1)企業が全て独自に事業実施、(2)NGOや地域住民が計画、実施して企業が出資、(3)世銀のBioCFに出資、の3つが考えられる。しかし、以上の問題により第一約束期間においては(1)は進まず、(2)、(3)の形が主流になる事が見込まれる。吸収源CDM推進のため、将来枠組みの検討においては利点を適切に評価しえるようなルール改変が求められる。
- 財団法人林業経済研究所の論文
- 2006-08-20
著者
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